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故郷

2011.3.11は全ての日本人にとって強烈に記憶されている日です。

多くの方々が故郷をなくす、そして故郷に戻ることを15年経てもなお許されないという経験をされています。

私自身は生まれ故郷にさして愛着もなんの感慨も持っておらず彼らの苦しみを想像すらできませんでした。

ある夢を見るまでは。

もう、4、5年前になります。

『現在の社会構造が生まれたのはなぜなのだろう、確かに便利だけど、毎日毎日奴隷のように働き、不平不満を抱えながらわずかな息抜きを糧になんとか生きなければならない、こんな不幸せな社会、一体どこの誰が始めたのか?』

そんなことを考えながら眠りについた私は、ある夢を見ました。

遠く、燃え盛る炎に包まれ破壊し尽くされた故郷を見下ろしながら、命からがら逃げ延びた私は発狂していました。

かけがえのない人達、土地、家、家畜、慎ましく穏やかな生活は奪われ、思い出すら踏み躙られた。

私を私だと証明するものは何一つこの世から消えて無くなった。

そして、何ものでもなくなった私は、胸に生まれた何か得体の知れないものと一体化し、別のものになった。

私は生きながらに死に、生まれ変わった。

もう二度と私の何一つさえも奪わせてなるものか。

何百、何千、何万年経とうとも、必ずここに戻ってくる。

全て取り戻す。

このような蛮行を二度と許してはならない。

我々が管理し導かなければ。

そして、何より私をこのような目に遭わせた存在を未来永劫、決して赦しはしない。

赦してなるものか。

はっとして、私は目を覚ました。

嗚咽していた。

しばらく涙と震えが止まらず、ただの夢ではないと思いました。

そして同時に理解したのは、膨大な感情エネルギーと彼らの祈りが宇宙に放たれ、そうして現実化したのが現在の社会構造だということです。

私はこの経験から、故郷を失う悲しみ、苦しみをほんの少しだけ理解できたように感じました。

たった数時間だけの体験でしたが、これを現実として体験する人格は、長期に渡り想像を絶する苦しみを味わったことと思います。

本当に狂ってしまうと思います。

目前に迫る霊性文明を迎える私たちは、神の分霊として与えられている創造力の扱い方を学ばねばならなりません。

核は便利です。

わずかな手間と引き換えに莫大なエネルギーを供給し、他の脅威から守ってくれる。

しかし便利さと引き換えに失うものについて真剣に考えなければいけないと思います。

そして、目の前にいる敵も、いつか、どこかで深く傷ついた人なのかもしれません。

その痛みには寄り添えるかもしれません。

その人が目の前に現れたということは、あなたにもその傷があるはずだから。

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